適当に生きたいブログ

ただの日記です。毒多め。

中小企業の実態を私は知らない

世の中の大半は中小企業勤めらしい

新卒からこれまで勤めてきた二社ともに世間に名の知れた大企業に勤めてきた私は、中小企業というものをよく知らない。

 

中小企業に勤める友人は「大企業の社員は現場を知らない無能だ」「中小企業にはロクな若手がいない」とよくボヤく。

 

「じゃあ大企業に転職すればいいんじゃない?」と言うと途端に口が窄む。

 

話を聞くにつれ、彼には大企業に「いきたくてもいけなかった」コンプレックスがある。私を含む周りの友人たちはほとんどが大企業なり、そのグループ会社に就職した。

 

しかし彼は悉く選考に落ち、結果として売上数十億円の中小企業にしか受からなかった。そこから彼は少しずつ変わってしまった。

 

友人と会うたびに「大企業は無能だ、現場仕事を知らないから無茶な注文ばかりする」と愚痴る。ちなみにその大企業は世界的にも有名なメーカーである。

 

私は正直な性格だから彼にいう。

 

「その大企業のおかげで中小企業に仕事があるんだよ」

 

聞けば彼の勤める会社はその大企業との取引が売上の半分以上を占めるという。

 

もしその大企業との取引無くなったら会社潰れるじゃん…と諭すと「それでもウチの会社なら新規取引先を見つけられる!」という。

 

「下請けを生業としてきた会社が独立独歩するのがどれだけ大変か知っているのか?」

 

と私とは別の友人が諭す。彼はメガバンクの法人営業で融資を担当してきた者だ。

 

その大企業との取引がなくなった場合、お前の会社はどれだけ持ち堪えられる?外販できるだけのスキルやパッケージはあるのか?そもそも勤め先の決算書読んだことあるのか?

 

問い詰められた友人は質問に答えることができなかった。友人はその企業で課長職である。しかし決算書を公告でしか読んだことがないという。

 

要するに彼は中小企業の枠の外を知らない。だから彼の勤め先が大企業に生かされていることを理解できていない。いや理解できていても納得したくないのだ。大企業コンプレックスが邪魔をしている。

 

とはいえ私を含め大企業にしか勤めたことがない者は中小企業の実態を知らない。私たちもまた大企業の枠の外を知らない。

 

だからそれ以上の追求は避けた。

 

ただ私は「大企業に転職すればいい」と繰り返し伝えた。コンプレックスは消したほうがいい、大企業をニュースや記事、現場で見るたびにコンプレックスは疼くだろうから、と。

 

そして大企業の中は競争だらけで、結局は新たなコンプレックスが生まれるだけだぞ、とも…